在宅医療部

Buurtzorg Nederlandの方々が桜新町アーバンクリニックを来訪しました

こんにちは、桜新町アーバンクリニック事務の北山です。

オランダで始まった在宅ケアの先進事例として、世界中に注目されている「Buurtzorg」という訪問看護を中心とした組織が存在します。この組織チームが日本看護協会の招きで今年の4月に来日講演した際に、チーム代表であるJos氏やICT担当者とご挨拶する機会がありました。

その際に、当院の在宅医療部での取り組みを話したところ、「次に来日する時には、君達のところに見学に行くよ」と仰っていたのですが、今回このBuurtzorg Nederland財団の皆さんが再来日することになり、昨日10月22日(月)の午前中に当院を訪問しました。

当日は、Buurtzorgからの来日メンバー4名とBuurtzorgと私達をつなぐ仲介役として堀田聰子さんが来訪しました。
堀田さんは、オランダのコミュニティケアに精通している方で、お互いの意思疎通を図るための大きな役割を果たして頂きました。

Buurtzorgとは、オランダ語で「コミュニティケア」という意味です。

より良いケア、より良い仕事をより安く実現することを目的とし、2012年4月現在、Buurtzorgで活躍しているナースは約5千人、利用者は約5万人で、オランダ国内の在宅ケア組織のなかで利用者満足度は第1位とのことで、現在オランダのすべての産業を通じて最も成長している事業者といわれています。

Buurtzorgの特徴は、大きく分けて2点挙げられます。

1.1チーム最大12人の看護師のセルフマネジメントチームが存在し、この看護師が全プロセスに責任を持ち、包括的な支援を展開している。また、各チームは、利用者、看護師の採用・教育、財務、等すべてに裁量と責任を持ち、全ての看護師がリーダーシップを発揮することが期待されている。

2.ICT(Buurtzorgweb)の活用によって看護師を煩雑な事務から解放し、ケアの質向上に繋げている。とりわけ、利用者との対話・経験をベースにして作成する電子健康記録の存在やICTの業務管理への適用は、質の高いケアを担保することに一役買っている。

ICTの効率的な運用を行っている当院でも参考にしたい内容がぎっしり詰まっている充実した来訪討議となり、最後に、これからの両者の連携をより構築していくことを確認し、討議は終了しました。オランダのコミュニティケアに関しては、やはり日本よりも一歩進んでいるなと思いましたが、これからも、世田谷区から世界に何かを発信出来る、そんなクリニックでありたいと思います。

下記は、Buurtzorgの詳細HPです(オランダ語ですが)。
http://www.buurtzorgnederland.com/

また、下記はBuurtzorgについて、堀田聰子さん寄稿の記事です。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02986_04
医学書院/週刊医学界新聞(第2986号 2012年7月16日)