今回は英国でマギーズ・ウエストロンドンを訪れた時の様子を報告します。
1月10日から17日まで、英国へ視察旅行へ行ってきました。今回の視察は、英国の認知症ケアを学ぼうということで、認知症ケアに関わる組織や施設を中心に訪れました。この件につきましては、後日ご報告いたします。
在宅医療で緩和ケアも当院は対応していますので、今回の英国視察の旅程に、ガンの人々の支援をしているロンドンにあるマギーズ(Maggie’s West London)を組み込んで訪れてきました。
マギーズは、ガンを患っている方々とその家族や知人に対して、実践的な心理的・社会的サポートを提供しているNPO団体です。1996年にエジンバラに最初のセンターができて以来、現在のところイギリス全土に15箇所と香港に1箇所あります。そもそもの始まりは、ガンを患っていたマギーさんという方の「死期が近づいている時でも、人生の喜びを見失うべきではない。」という思いを実現しようとしたものでした。
私たちが訪れたマギーズは、ロンドンのチャリング・クロス病院の敷地内にあり、とても明るい斬新なデザインの建物が特徴的でした。
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マギーズに入るとまず誰かしらがそっと寄ってきて、挨拶をしてくれます。今回は、センター長のバーニーさんにお話を伺う機会をいただきました。バーニーさんは、マギーズで働く前は、ガンの専門看護師として長年の臨床経験を持っている方でした。
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バーニーさんが特に強調しておられたのは、ガンを患っている人々やそれを支えている人々との関係性でした。マギーズは医療機関ではないので、医療機関にありがちな医療者と患者という力関係ではなく、共に歩んでいく者であり、当事者の主体的な取り組みをサポートするというのを徹底しておられました。その表れが、自分の好きなときに来ることができるということであり、来れば必ず誰かが迎えてくれるということであり、自分で好きな飲み物を自由に作って飲むことであり、スタッフは記録を取らずに話しを聞くということでありました。もう一つ強調されていたのは、マギーズのスタッフを含めガンの人々を支える人々へのサポートでした。マギーズのスタッフは、週に一度臨床心理士とのカウンセリングがあり、自分たち自身の心理状態を良好に保ち、心理的な疲弊を起こさないように努めておられました。
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マギーズはガンの人々への取り組みですが、その理念は、ガンの人々だけでなく他の病に苦しんでいる人々、例えば認知症の人々にも通じるものがあると感じました。バーニーさん、ありがとうございました。