月別アーカイブ: 2015年3月

WHO認知症啓発キャンペーン動画で片山看護師がメッセージを述べました

WHO(世界保健機関World Health Organization)で行われている認知症啓発キャンペーンの一環で、世界中の認知症ケアや研究に関わる人たちからのメッセージ動画が公開されました。
5分弱の動画なのですが、日本からは塩崎厚労大臣をはじめ4名(団体)のメッセージが採用されていて、当院の片山智栄看護師が寄せた「いつまでも自宅で過ごせるように」というメッセージも採用していただきました。動画の1分52秒あたりを是非ご覧ください。

WHO啓発キャンペーン

このような機会を頂いたのは、昨年11月5日に英国大使館で行われた、’Young leaders discussion for innovative ideas to address dementia’に参加したご縁からでした。
詳しくはこちらをご覧ください→http://www.sakura-urban.jp/blog/archives/1252
当院でも、認知症の方がいつまでも住み慣れた自宅で、地域で、暮らしていけるように、診療や看護など様々な活動を通じてサポートしていきます。

(事務長 村上典由)


緩和ケアセミナー ~在宅視点の緩和ケアパスを活用した多職種連携~

3月18日(水)に当院医師の篠田先生による「在宅における緩和ケア」セミナーが開催されました。

がんと診断されたときから緩和ケアが必要であるといわれていますが、医師・看護師・ケアマネジャー・ヘルパーなど地域で関わる多職種が緩和ケアの知識を深め、連携していくことが、患者さんとご家族の生活の質を高めるために必要だと考えます。
「この患者さんの予後はどれくらいなの?」「もっと早くこのサービスを導入すればよかった?」そんな疑問を解消するために、今回のセミナーでは篠田先生が考案した『緩和ケアクリニカルパス』を使用して、より良い在宅緩和ケア実践のための意見交換をおこないました。

在宅での緩和ケア、なかでもがんという病の経過はどうなるのか?、そして予後を予測するには何に注目したら良いのか?について篠田先生から講義があり、その後ケアの流れをパスを通して確認し、症例を通したグループワークをおこないました。
明日からすぐに使える、わかりやすいパスとなってますので、下記動画(15分)とセミナーで使用した資料をご覧ください。



今回は英国でマギーズ・ウエストロンドンを訪れた時の様子を報告します。

1月10日から17日まで、英国へ視察旅行へ行ってきました。今回の視察は、英国の認知症ケアを学ぼうということで、認知症ケアに関わる組織や施設を中心に訪れました。この件につきましては、後日ご報告いたします。

在宅医療で緩和ケアも当院は対応していますので、今回の英国視察の旅程に、ガンの人々の支援をしているロンドンにあるマギーズ(Maggie’s West London)を組み込んで訪れてきました。

マギーズは、ガンを患っている方々とその家族や知人に対して、実践的な心理的・社会的サポートを提供しているNPO団体です。1996年にエジンバラに最初のセンターができて以来、現在のところイギリス全土に15箇所と香港に1箇所あります。そもそもの始まりは、ガンを患っていたマギーさんという方の「死期が近づいている時でも、人生の喜びを見失うべきではない。」という思いを実現しようとしたものでした。

私たちが訪れたマギーズは、ロンドンのチャリング・クロス病院の敷地内にあり、とても明るい斬新なデザインの建物が特徴的でした。

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マギーズに入るとまず誰かしらがそっと寄ってきて、挨拶をしてくれます。今回は、センター長のバーニーさんにお話を伺う機会をいただきました。バーニーさんは、マギーズで働く前は、ガンの専門看護師として長年の臨床経験を持っている方でした。

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バーニーさんが特に強調しておられたのは、ガンを患っている人々やそれを支えている人々との関係性でした。マギーズは医療機関ではないので、医療機関にありがちな医療者と患者という力関係ではなく、共に歩んでいく者であり、当事者の主体的な取り組みをサポートするというのを徹底しておられました。その表れが、自分の好きなときに来ることができるということであり、来れば必ず誰かが迎えてくれるということであり、自分で好きな飲み物を自由に作って飲むことであり、スタッフは記録を取らずに話しを聞くということでありました。もう一つ強調されていたのは、マギーズのスタッフを含めガンの人々を支える人々へのサポートでした。マギーズのスタッフは、週に一度臨床心理士とのカウンセリングがあり、自分たち自身の心理状態を良好に保ち、心理的な疲弊を起こさないように努めておられました。

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マギーズはガンの人々への取り組みですが、その理念は、ガンの人々だけでなく他の病に苦しんでいる人々、例えば認知症の人々にも通じるものがあると感じました。バーニーさん、ありがとうございました。

藤沢市にある小規模多機能施設「あおいけあ」を見学

今日(2015/3/11)は藤沢市にある小規模多機能施設「あおいけあ」を見学し、代表の加藤忠相さんからたくさんお話を伺いました。

あくまで認知症の方(というより人生の大先輩である高齢者)の強みを活かした自立支援という視点と、通い・泊まり・訪問で縦横無尽に支えきる小規模多機能ならではの安心感は、施設ケアへの認識を180度転換させるパワーを感じました。もちろんそこには、認知症への深い理解と、計算された空間、雰囲気、そして組織作りがあってのことだと思います。
地域毎に様々なカタチがあるでしょうが、あおいけあの視点や理念は、ぜひすべての介護者や施設運営者に知っていただきたいと思いました。

加藤様、皆さん本当にありがとうございました。

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