外来

語らいの場”こかげカフェ”を開催しました。

2017/05/14 当院で初めての遺族会 語らいの場”こかげカフェ”を開催しました。
この”こかげカフェ”は、プラタナスの木の下の木陰でカフェをしながら語り合う、ということをイメージして、遠矢院長が命名しました。「なぜ、プラタナスの木?」かというと、プラタナスは医療の祖「ヒポクラテスの木」とも称されていて、ヒポクラテスはこの木の下で弟子たちに「患者のことを一番に考えるように」と教えたとされているからです。当法人の名前の由来でもあります。

当院が在宅医療を始めてから8年が経ちました。日々の診療の中で、たくさんの患者様、ご家族との出会いがあり、また年間100名以上のお看取りもさせて頂いており、その数だけの別れもありました。
患者様がお亡くなりになった後は、診療も中止となるためご自宅に伺うことはなくなります。近所を通るたび、また、ふとした瞬間に、「あの患者様のご家族は元気でいらっしゃるかな」「どんなことを感じて生活されているかな」などと思うことがよくあります。患者様と同時にご家族も私たちにとっては気になる存在なのです。

今まで遺族の方とお話する機会がなかったのですが、今回、当院の看護師の五島、村上玲子、船木の3名が中心となって、このような会を開催できました。
当日は、11家族、15名の方々に参加していただき、在宅で大切なご家族を看取った経験、その時の気持ち、現在までの気持ちの変化など、それぞれの想いをお話して頂きました。会場にいらした時は、表情も固く、緊張感が張り詰めていた会場でしたが、スタッフによるピアノ、ハンドベルの演奏、お茶やケーキを食べながらの団欒の時間を経るうちに、お隣に座ったご家族同士との話しも弾んで、皆さん笑顔になっていきました。

参加された方からは、「参加してよかった」「気持ちが少し軽くなった」「また頑張ろうと思った」「また開催して欲しい」と言ってくださる方が多く、この会を開催出来て良かったと思うと同時に、同じ辛さや経験を共有している者同士が共感できる、自分の辛さを話せる、理解してもらえる場所の必要性も感じました。そして、私たち医療者に感謝の言葉を頂けたり、「みなさんがいてくれたから最期まで自宅で看てあげられた」などの言葉も頂けて、私たちの癒しにもなりました。

ご自宅で大切な家族を見守っていくことは本当に大変なことだと思います。患者様は元より、ご家族にも寄り添う医療、看護の提供を行い、患者様がお亡くなりになったあとも身近に感じられるようなクリニックを目指していきたいとおもいます。

今回は、初めての遺族会ではありましたが、同じ空間と時間を皆で共有し、少しずつでもそれぞれの思いを分かちえたと思います。これからもこの”こかげカフェ”を継続していきたいと思います。
(看護師 赤崎真理)

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