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191026「第16回世田谷高齢者のつどい」

20191026 「第16回世田谷高齢者のつどい」にて「認知症とともに生きる希望」というテーマで遠矢院長が講演をしました。
191026第16回高齢者のつどい①
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参加された100名近い方はほとんどが高齢者でした。前回の参加者アンケートで最も関心が高かったのが認知症のことだったとのこと。

そこから認知症についての意見交換が行なわれ、実行委員の方々には「認知症になるかもしれない・認知症になりたくない」いう不安、「認知症になった家族・友人をどう支えればよいのか」という気持ちの一方で、「認知症になったら分からなくなる、おしまいだ」という気持ちも見られたそうです。現状では、認知症に対するイメージや認識はそういうものなのでしょう。

「ぼけ」「痴呆」と呼ばれていたのが、2005年に「認知症」という「病名」になり、同じ頃に認知症の薬が発売になったりしたことで、認知症は医療で治療するもの、という印象が強くなっている様に思います。多くの方が、病気なので予防したいと思いうし、なんとか治療法を探そうとする。BPSD症状も病気の悪化と捉えて「薬でなんとかしてくれ」と言われる方もいらっしゃいます。実際には医療が介入するほどに、その人らしさが損なわれたり、誰のための治療なのかわからなくなっていくことが多くなります。
まずはそうした認識を改めて、本人の不安やストレスを慮り、たとえ認知症になっていろいろ判らないことが増えていっても、その人らしく生きていくことをささえていけるような家族や地域、社会であるような認識や理解を広めていくこと、すでに全国やここ世田谷でも様々な取り組みや活動が盛んに始まっていること、長生きするほどに誰もが認知症になりうるという認識の上で、各々の立場で認知症でもだいじょうぶな社会であるにはどうすればよいかを考えていきましょうとお話をしました。

講演後にはたくさんのご質問を頂きました。個人的な認知症家族への関わり方の相談や認知症の検査、介護保険などの制度や利用のことなど。補聴器のことや「難聴にならないようにするにはどうすれば良いか?」など、聴覚や薬についての質問も多かったのは、講演の中で「難聴であることやポリファーマシーの状態は認知症のリスクとなる。」とお話したためだと思いました。やはり一般の方の関心は「認知症にならないようにするには」ということなのでしょう。一方で身近に認知症の方がおられるという方も多く、皆さん我が事として真剣に認知症のことを考えているご様子でした。今後も繰り返しこうした活動を続けていきたいと思います。

遠矢純一郎
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