病気について

子どもがインフルエンザにかかった時の注意点

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当クリニック近くの幼稚園・小学校でもインフルエンザなどの発熱疾患で学級閉鎖となり、おうちでお子さんを看ておられるお母さん・お父さんのご苦労を聞く機会が増えています。

季節的に他のお子さんの受験(中学受験も始まりましたね)やお仕事への影響もさることながら、「どういうことに気をつけて、インフルエンザにかかった子どもを家で看ていけばよいのか」という質問が多くなっています。そこで今回は…

【おうちで子どものインフルエンザを看病する際に注意することについて】
書きたいと思います。

〈一般的な注意〉
十分な水分をとり、消化のよいものを食べ、暖かくして休むのが一番の治療です。クリニックなどで診断をうけ、抗ウイルス薬(タミフル、リレンザ、イナビルなど)の処方を受けたときは、指示されたように内服/吸入しましょう。お薬を内服/吸入し、今までになかった症状が出現したり具合が悪くなったときは、お薬が合わなかった可能性もありますので、処方を受けたクリニックにご相談ください。

一般的には、発熱は3日間程度で治まり、咳や鼻水などはその後数日程度続き、軽快していきます。

〈肺炎などの重症感染症や脳症への注意〉
子どもは肺炎や脳症などの重症化のリスクがあり、自宅療養中は注意を怠らず見守ることが必要です。
特に発症して3日程度、発熱している期間はよく状態をみてあげてください。
注意する点は、厚労省と日本小児科学会のポスターに簡単にまとまっています↓

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ぐったりして水分も摂れず脱水症になってしまうことや、息苦しさを訴えて呼吸も速く、まれに肋骨や胸の骨の上がへこんでしまうほど努力して呼吸する場合は肺炎を併発していることもあり注意です。

また、ぼーっとして呼びかけに答えなくなったりする場合には要注意です。いつもと違う言動・行動(例として① 両親がわからない、いない人がいると言う(人を正しく認識できない)。② 自分の手を噛むなど、食べ物と食べ物でないものとを区別できない。③ アニメのキャラクター・象・ライオンなどが見える、など幻視・幻覚的訴えをする。④ 意味不明な言葉を発する、ろれつがまわらない。⑤ おびえ、恐怖、恐怖感の訴え・表情 ⑥ 急に怒りだす、泣き出す、大声で歌いだす。;インフルエンザ脳症患者家族の会「小さないのち」アンケート調査より)は脳症の早期症状である可能性があり、早期に医療機関にご相談ください。
〈参考サイト〉インフルエンザ脳症ガイドライン

〈解熱剤の使用について〉
インフルエンザにかかった子どもの解熱剤には注意が必要です。
原則カロナールアンヒバなどの「アセトアミノフェン」を、
体温が38~38.5℃を超えて、元気具合や水分・食事のとり具合などをみて、熱を下げてあげることで経口摂取が進む、つらい症状をとってあげられるなどと判断されるときに使ってください。
また、生後6ヶ月未満の乳児は解熱剤を使用すると、体温を下げすぎてしまうことがあるため、解熱剤の使用は医師に相談してからにしましょう。1度解熱剤を使ったら6時間以上間隔をあけ様子を見てください。直ぐに熱が下がらないからといって追加して使わないように気をつけましょう。解熱剤で下げられるのは1℃程度とお考えください。

もちろん氷枕や脇・足の付け根などへ凍らせた保冷剤などをタオルで包んだものでの直接的な冷却は、効果的で望ましいのでオススメです。その際も、体温を下げすぎないように注意しましょう。

【注意】
大人で使用するアスピリンや一部の解熱剤(ジクロフェナクナトリウム;ボルタレンなど。メフェナム酸;ポンタールなどやイブプロフェン;ブルフェンなども注意が必要)には小児インフルエンザ感染症と急性脳症の発症との関連がいわれていますので、子どもに使用してはいけません。この脳症はライ症候群と呼ばれています。

【ライ症候群とは(厚生労働省ホームページより)】:
急性脳症(嘔吐、意識障害、痙攣、高熱等の症状)で、肝臓ほか諸臓器の脂肪変性、CT上脳浮腫が見られる等により特徴づけられるものをいう。水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、主に小児において発症する。
〈参考サイト〉国立感染症研究所感染症情報センター;インフルエンザの臨床経過中に発症した脳炎・脳症の重症化と解熱剤の使用について

〈学校の出席停止期間について〉
文部科学省が所轄する学校保健安全法では、インフルエンザ感染症の出席停止の期間の基準を…
>インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、解熱した後二日を経過するまで。
と定めています。詳しくは通っていらっしゃる学校へお問い合わせください。
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みなさんの早い回復をお祈りしております!

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