
アクセシビリティ×ケア|②「声を出す」を補う、ライブスピーチ機能
iPhone・iPadの便利機能、「ライブスピーチ」って知っていますか?在宅医療やケアに携わる作業療法士の目線で、高齢でも、障がいがあっても、iPhoneやiPadで楽しむことができる工夫を紹介していくシリーズです。
当院の作業療法士が紹介します!

保険医療学修士(訪問リハビリ利用者に対する福祉用具の受け入れについて研究)。
趣味は海外旅行、温泉、散歩、自然に囲まれたり風情ある所でのんびりすること。
「声が出しづらい」という悩みに寄り添う、ライブスピーチ
今回は、iPhone・iPadのアクセシビリティ機能の1つである【ライブスピーチ】についてご紹介したいと思います。この機能は、入力した文字・文章をそのまま音声で読み上げてくれたり、あらかじめ定型文を自分で登録しておくことで、タップしただけでその定型文を読み上げてくれたりします。
設定方法は、こちらをご参照ください(AppleのWEBサイトにジャンプします)。


どのような方に役立つの?
①声が出せない方
②声は出るが、毎回の発声が安定しない方
③声が小さくて相手に伝わりにくい方
④自分の声に自信がなく、言葉で伝えるのを苦手としている方
⑤声が震えて上手く話せない方
など。
病気や障害に限らず、さまざまな理由で「発声できない/発声に困る」ということが起こります。そんなとき、〈筆談は面倒だし、つい自分の気持ちは押し込めてしまう〉〈緊急事態で助けてほしかったのに、会話している人には声が届かなかった〉といったこともあるのではないのでしょうか。もしiPhoneが使えるなら、【ライブスピーチ】を活用してみてもいいかもしれません。
ケア現場での活用をご紹介します
⚫︎パーキンソン病の方への活用
重度のパーキンソン病になりますと、声は出せても滑らかに発音ができなかったり、言葉がとぎれとぎれになってしまったりと、相手に意図が伝わりにくい場面が多くみられます。また、様々な症状が現れますので「薬を追加して欲しい」、「唾液を取るティッシュを準備して欲しい」などの要望があっても、すぐに伝えることが難しくなります。
そのような場合には、【ライブスピーチ】にあらかじめ言葉(「薬を追加して」「吸引して」など)を登録しておき、その言葉をタップすることで、ご自分の意思を相手に音声で伝えることが可能になります。
⚫︎手・指先の操作が難しいときは?
【ライブスピーチ】は、iPhoneやiPadの画面を指先でタップ(タッチ)して操作する必要があります。しかし、神経難病の患者さんは声が出しにくくなるのと同時に、手と指先も動かしにくくなるため、画面操作が難しくなります。そのような方には、iOSの同じアクセシビリティー機能である【スイッチコントロール】(次回コラムでご紹介します)を組み合わせるいいでしょう。この機能は、iPhoneやiPadにボタンスイッチをつなげ、ボタン1つで画面上を操作することができるという機能です。「意思伝達装置」と似た、シンプルな方法で画面操作が可能となります。
次回のコラムでは「スイッチコントロール機能」について紹介していきます。
〈了〉
