アーバン日誌
「医療倫理の4原則」について

桜新町アーバンクリニック、桜新町ナースケア・ステーション、桜新町ナースケア・プランニングでは、医療・介護の現場で生じる倫理的な課題を、倫理委員会で月に1度選出し、話し合いを行っています。医療スタッフだけでなく、事務スタッフも含め、10名ほどが在籍しています。
倫理的なジレンマが生じた場合に、話し合いの指針のひとつとなるのが、「医療倫理の4原則」です。
◯医療倫理の4原則
*Tom L. Beauchamp, James F. Childress『生命医学倫理』1997
1.自律性の尊重(respect for autonomy)
例)治療のプロセス等を説明し、患者が十分理解した上で、患者の自由意志に基づき合意する
2.善行(beneficence)
例)患者の症状に合った治療方法があれば、できうる最良の治療をする
3.無危害(non-maleficence)
例)体に侵襲が少ない治療方法を可能な限り選択する
4.公正(justice)
例)発災時(一度に多くの患者が発生)重症度に従って、優先順位を決める
今回は、倫理委員会が主催して、他の医療スタッフを対象とした倫理コンサルテーションのグループワークを行いました。
ある症例に基づき、医療的ジレンマとなりうる要素を「医療倫理の4原則」のいずれかに分別し、各要素で対立関係(ジレンマ)にあるものを洗い出しました。その上で、患者、医師、看護師、セラピストやケアマネジャー等の多職種の視点から意見を出し合い、患者にとって最善のケア、質の高い医療・介護サービスの提供とは何かを助言しあい、フィードバックしました。
このようなフィードバックは、倫理的ジレンマの生じている現場において、倫理的な意思決定の助けになり、次のステップに向けた行動化へ繋がります。

医療現場では、意思決定能力が低下した患者さんのケア、終末期の患者さんのケア等、多くの倫理的ジレンマが生じやすい場面があります。
私たちは、このようなグループワークを通して、スタッフひとりひとりの倫理意識を高め、患者さんやそのご家族等とスタッフが良好な信頼関係を築き、安全な医療を受けられる環境を整え、最善の医療を提供することを目指してまいります。