いのちの授業
世田谷区立玉川中学校よりお声がけいただき、「いのちの授業」の機会をいただきました。
地域の子どもたち・学生のみなさんに、人間の営みに伴走するわたしたち医療者が伝えられることがあるのなら、こんなに嬉しいことはありません。
今回の「いのちの授業」
日時:2024年3月11 日 13:30〜15:30
場所:中町ふれあいホール
対象:卒業を控えた中学3年生
院長・遠矢、看護師・國居が講師として登壇。50分×2コマの授業を行いました。
どんな話をしたの?
遠矢医師から話されたトピックは多岐に渡り、興味深いテーマが並びました。
「いのちって何?」「生命について/動的平衡」「人間の身体」「食べる機能について」「何歳まで生きたい?」「高齢化社会のこと」「老いについて」「健康寿命と生命寿命」「死に場所の理想と現実」「多死時代」「医療の限界、ささえる医療へ」「QOLって何?」「医療の中心の変化、地域包括ケア」「在宅医療について」「日本の医療、これから」
國居看護師からは、いのちの伴走者として手触りのある内容が話されました。特に、実際の患者さんのインタビュー動画が流されると、長丁場の授業にやや飽きていた学生さんの姿勢が直り、耳を傾けようとする変化が印象的でした。患者さんのインタビューは、病状もあり小さい声なのですが、惹きつける強さを感じました。インタビュー動画を見た学生さんは、何を思ってくださったでしょうか。
学生さんとのやりとり
一方通行の話ではつまらないよね、と、学生さんにもいくつかの質問に答えていただきました。
医療者のわたしたちも「あ〜なるほど」と思う返答が聞かれ、学生さん方の考えていることが垣間見えておもしろかったです。(急に当てられた学生さん、よい返答をありがとうございました)
Q:いのちって何だろう?
- 動いているもの
- ひとつしかないもの
Q:好きな臓器は?
- 肝臓が好き!〈多彩だから〉
- 心臓が好き!〈ずっと動いてくれてありがたいなと思う〉
Q:何歳まで生きたい?
- 80〜85歳!〈娘が結婚するまで生きていたい〉※先生からの返答でした
- 100歳!〈好きなことを長くしていたい〉
学生さんへの問い
最後は日本の社会課題への問いが出され、学生さんや先生方も「うーん」と迷いながら返答くださりました。すぐに答えの出ない問いは、きっと学生さんの心に残ったのではないでしょうか。
学生さんからの感想もいただきました。「在宅医療の事例を交えて、死ぬということも、はじめてこんなに深く考えました」「わたしたちの未来には課題があり、どういうふうに解決していけば良いのか考えていかないとと思いました」「まずは1日1日を大切に生きていきたいです」との言葉を、ジーンとしながら聞いておりました。
お声かけいただいた玉川中学校の先生方、わたしたちの話に耳を傾けてくれた学生のみなさん、良い時間をありがとうございました。
講師よりコメント
遠矢医師より
いのちの授業、何を伝えるべきかをとても悩みました。投げかけた「いのちって何だ?」という難しい問いに、「ひとつしかないもの」という答えが返ってきたことに、ホッとさせられました。どんな人にも平等にひとつづつ与えられたいのちや人生を大切に、これからの自分の生き方を考える機会になってくれればと思います。
國居看護師より
中学生の皆さんが、想像よりも質問にしっかりと返答してくださり感心しました。
また「いのちの授業」のような機会があればいいなと思っています。
〈了〉
(広報/看護師 尾山直子)