針刺し事故 迅速検査システム【HRSS】

取り組み 2022.12.06

針刺し事故により起こりうる最大のリスクは、血液を媒介したHIV、B型肝炎、C型肝炎などへの感染です。しかし、病院と違って地域で活動する訪問看護ステーションなどでは事故のサポート体制がありません。特に感染症が不明の場合には病院に受診しても適切な治療を受けられません。当院では、地域で働く医療者の安全確保のために、「針刺し事故迅速検査システム HRSS」を立ち上げました。針刺し事故が起きたときは、ぜひご相談ください。

プロジェクト担当

坂詰大輔(看護師/感染対策委員会)

 サポートメンバー
 浅野千恵(看護師/感染対策委員)
 尾山直子(看護師/感染対策委員)

HRSS/針刺し事故 迅速検査システムとは

HRSSは、地域の訪問看護師が患者宅で針刺し事故を起こしたときに、すぐさま利用者の採血を行い、当院で迅速に感染症の有無を調べることで、適切な予防治療が受けられるシステムです。
院内の医療スタッフだけではなく、地域の訪問看護師たちの健康を少しでも守りたいと考え、このプロジェクトが始まりました。


実際のフロー

1. 針刺し事故が発生!!!

  1.  桜新町アーバンクリニック在宅医療部にすぐ電話
     03-5716-5220
     (平日9:00-18:00/担当:坂詰まで)
  2.  〈針刺し事故発生、名前、所属〉を伝える
  3.  同クリニック在宅医療部に行き、「針刺し検査キット」を受け取る
     ※外来と場所が異なるのでご注意ください!(地図はこちら
▲針刺し検査キット

2. 利用者の採血をしてください

  1.  利用者に説明、同意書にサインをもらい、採血をする
  2.  検体はすみやかに同クリニック在宅医療部に持参
     ※同意書は「針刺し検査キット」に入っています(ダウンロードはこちら
  クリニックへ持参するもの  
① 検体 生化スピッツ3本(うち1本:6ml以上、2本:2m以上)
② 同意書 採血実施者が利用者からもらってください

3. 利用者のHBV、HIVの感染の有無を迅速検査します

同クリニック在宅医療部にて、HBVとHIVの迅速検査を実施。
1時間ほどで結果がわかります。

4. 感染が判明したら、基幹病院の受診につなげます

針刺し事故による感染を予防するために、以下が推奨されています。

【利用者がHBV陽性者の場合】
 48時間以内に、抗HBs人免疫グロブリン接種

【利用者がHIV陽性者の場合】
 72時間以内に、予防内服開始


検査費用について

自費での検査になりますので、迅速検査とBMLでの臨床検査含め以下の金額が発生します。
34,300円(目安)
※ 費用は状況により変更になることがあります。
※ 後日事業所宛に請求書を発行し送付致します。

プロジェクト担当・坂詰からのコメント

私は長く病院に勤務し感染対策にも携わっていましたが、地域の訪問看護師として働いてみると、針刺し事故のサポートシステムがないことに大変驚きました。そこで「これは何とかしなければ」と動き出したのですが、プロジェクトは思っていたより難題だらけ。それでも桜新町アーバンクリニックの皆が【地域で働くスタッフの安全を守りたい】という願いを持ち続けていたからこそ、ついにこのシステムを立ち上げることができたのだと思います。
これから針刺し事故が起きてお困りの際にはぜひご相談ください。

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