いのちを学ぶ絵本③

BOOKS 2022.08.31

いのちを学ぶ絵本シリーズは、暮らしのなかで命や死、病気と向かい合うときに力になってくれる絵本を、現場の医師と看護師が選びアーカイブしたものです。子どもだけではなく大人にも優しく学びを与えてくれています。

ママのバレッタ

がんになったお父さんやお母さんの集まり〈キャンサーペアレンツ〉による絵本。当院のスタッフも制作に関わっている一冊です。

当事者の方がつくりだすものに宿る、強さと説得力。
がんの治療をしながら、子どもに向き合ってきたお母さん方の想いや経験や優しさが、この本の中に生き続けていると感じました。抗がん剤治療を受けるお母さんや、子どもたちへ手渡したい本です。

絵と文:たなか さとこ
発行:生活の医療
企画:キャンサーペアレンツ・えほんプロジェクト

あかり

ろうそくというモチーフを通して、多角的に読める絵本。
はじまりから終わり。時代の変化とともに役割が変わっていくもの。存在の価値とは。
わたしたちケアをする人が選ぶことの多い「寄り添う」という言葉の意味について、再考する機会になる一冊です。
ろうそくの灯りの絵が、本当に美しい!

文:林 木林
絵:岡田 千晶
発行:光村教育図書

ひだまり

大切な存在を失っても、その存在から受け取ったものが自分のなかに残っている。2匹の猫の物語を軸にしながら、そのことに気づかせてくれる絵本。
大切なひとや居場所をなくしたと感じている子どもや大人に。

文:林 木林
絵:岡田 千晶
発行:光村教育図書

こもれび

光の中に包まれる時もあれば、影の中を過ごす時もある。
それを良い日、悪い日と捉えずに生きていくこと。
禅のことばにある「日日是好日」を、わかりやすく、優しい絵と言葉で表現してくれているように感じました。
症状の変化に一喜一憂して翻弄されてしまうひとに、そっと手渡したい本です。

文:林 木林
絵:岡田 千晶
発行:光村教育図書

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