在宅医療部

コロナ禍での業務

2021/01/22 連日寒さが厳しい東京、防寒着に身を固めながら自転車で訪問に向かうスタッフ達をいつも以上に頼もしく思うけど、さすがに体調を崩す者も出てきている。特にいまはコロナとの判別が困難(PCR検査でも確実に峻別することはできない)なので、どうしても必要な期間を休んで頂くことになる。たとえご家族の熱発でも、リスクを考えると出勤を控えてもらうことにしている。
「迷惑かけてごめん」「こんな時に申し訳ない」熱を出したスタッフからそんな言葉が届く。気持ちはわかるけど、病気は当人の責任ではない。リスクを持ち込まないよう、適切に休むことが、危機管理、組織防衛に貢献することになる。もちろん体調不良はコロナだけではない。いろんな理由で休みたいときに、気兼ねなく休めるようにしておきたい。自己犠牲感が強い方のケアなんて、僕は受けたくない。
エッセンシャル・ワーカーである医療や介護は、サービスを止めるわけにはいかない。その責任感や緊張感はなおさらに休むことへの自責の念を強めてしまうだろう。それを組織としてしっかりバックアップできるような余力と臨機応変な動き方ができるような柔軟さを持つことが求められる。
もちろんそれにも限界はある。これだけ感染症の蔓延が続くと、複数名が同時に休まざるを得ない事態も容易に起こり得る。一定期間サービスを停止・縮小することや、他の同業者にヘルプを頂いたり、最後は利用者にもご協力頂くことも想定して準備しておくべきだろう。つまりは社会全体でこのリスクをささえあうという意識を持つべきと、コロナ禍がこれほど身近になってきて改めて思う。
実際、近隣の急性期病院でコロナが院内に広がり、現在救急や入院の受け入れを停止しているが、病院間の連携で近隣の病院がカバーなさるという。介護や訪看事業所でも同様の連携が必要だが、個々の事業所ではなかなか手だてが見えないだろう。地域でそれをまとめるのは地域包括あたりがなさるのだろうか。

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